ゲルニカ読書記

武器にするための読書記録

白秋期 五木寛之 <60代、70代を人生の黄金期として生きる>

なぜこの本を読んだのか

Netflixビルゲイツの特集に感化されたのもあって、日本の高齢化問題をどうすれば解決できるのか考えたかった。
高齢者が何に悩んでいるのか、それに対してどんな解決案があるのか知りたかった。

この本のテーマは何か

どうすれば60代、70代を人生の黄金期として生きることができるか

キーワード

・いい加減
・そのまま生きよ、死ぬときは死ぬ
・養生

要約

・人生五十年ではなく百年時代と言われるようになった。
・60代、70代は終わりではなく白秋期、人生の黄金期として捉えたい。
・「いい加減」に自分の感覚と向き合って、孤独に生きることが本当の幸せにつながる。

刺さった言葉

だが、寿命が150歳の女性を想像してほしい。...(中略)...40歳で結婚しても、まだ110年残っている。その結婚生活が110年続くと見込むのは、果たして現実的だろうか?


健康番組に、一喜一憂するのは、健康という病である、と。


社会学者の上野千鶴子さんが、ある講演で聴衆にこう聞いたと言います。
「このなかで、孫や子供たちに囲まれて末期を看取ってもらいたいと思っている人はいますか?」 だれも手を挙げなかったそうです。


ある信仰篤いキリスト者が、死の床で最後にこうつぶやいた、という話を聞いたことがあります。
「雑事に埋もれた一生であった」


読んだ感想

正直、よくわからない本だった。終始自分の感じ方、考えた方ベースのエッセイのような本だった。感覚的で論理的でない。体に不調を感じても、あえて病院に行かないというくだりは、失礼だが意味がわからなかった。

最後まで読んでやっと少しわかったのは、この人は自分の感覚と深く向き合った人だと思う。腑に落ちるかにこだわった人生を送っている。全然科学的でないと思ったが、科学が人間を幸福にしてくれたか、というとそれはわからない。生活は豊かになり、医療も発展したが、実は人間が幸福になっていないとしたら、五木寛之さんのような生き方が人間が幸福になるための道しるべになるのかもしれない。

しかし、それでも僕にはよくわからない。自分本位に生きるとか、孤独を楽しむとかもっともらしく聞こえるが、自分の中に閉じこもってるだけに聞こえてしまう。いつか死んでしまうのだから、周囲に何を残せるのかを考えるのではないか?僕はこういう老後に全然憧れない。60代、70代になっても第一線で仕事をしつづけたい。