FACTFULLNESS(ハンス・ロスリング) <実践編② ネガティブ本能から脱出する~世界的に殺人の割合は増えているか?→減っている ~ >
なぜネガティブ本能から脱出したいのか?
「世界はどんどん悪くなっている」と思い込んでしまうと、良くしようとしている人の努力が無駄だと誤解してしまう。世界を良くするために正しいことを間違っていると思ってしまうかもしれない。
何より「世界はどんどん悪くなっている」、とか「日本はどんどん悪くなっている」とか考えると、未来に希望が持てなくなってしまう。
ネガティブ本能から抜け出すポイント
「世界はどんどん悪くなっている」という勘違いを打ち破るには、現在と過去を比べてみればよい。
このテーマを選んだ理由
・犯罪というテーマがFACTFULLNESSにはなかった。
・世界がどんどん悪くなっているか、の指標としてわかりやすい。
・この先、自分が巻き込まれる可能性はあるので知りたい。
調査前の自分の回答
増えている
ネットが当たり前になってから、今まではなかった犯罪が増えているはず。
未成年による残酷な事件もNewsではよく聞く。未成年による凶悪な犯罪も増えていそうなイメージはある。
調べる前提
殺人の割合の定義
今回は調査方法を学ぶことが目的なので、単純に下記とする。
(殺人の割合) = (殺人件数) / (人口)
比較する時期
・過去 (1990年のデータ)
・現在 (2017年のデータ)
※1980年から直近40年ぐらいで見たかったが国連のデータは1990以降のみだった。
※直近の最新データが2017だった。今は2020年5月なので、2年以上遅れて公開されるらしい。なぜなんだろう?
結論
減っている。
項目 | 1990 | 2017 |
---|---|---|
殺人件数 | 214,431 | 238,360 |
人口 | 5,327,231,061 | 7,547,858,925 |
殺人の割合(%) | 4.03×10^-3 | 3.16×10^-3 |
人口の増加と比べると、殺人の増加は小さいらしい。
このデータだけ見ると、世界は人口に対する殺人の割合は減る方向に向かっていると考えられる。本当に減る方向に向かっているかを真剣に調査するなら、国ごとの政治、法律、経済など色々因子を調べるべきなのだろうが、あくまで調査方法を実践して学ぶのが目的なので深追いしない。
データ出典元
1990と2017の殺人件数 (国連)
すべての国の殺人件数をダウンロードして合計して求めた。
Global Study on Homicide | dataUNODC
1990と2017の人口 (国連)
検索条件に「World」があることに気づけたので、検索した。
UNdata | record view | Total population, both sexes combined (thousands)
得られた気づき
・根拠となるデータを探して、整理するのに一番時間がかかる。ハンス・ロスリングさんは国連のデータといって、さらっと表やグラフで説明しているが、実はすごいことだ。
・イメージよりも殺人事件の件数は少ない。ニュースでよく見るのでもっと多いかと思っていた。
・国連が検索しやすいデータを公開していた。知らなかった。
感じた疑問
国連はどのようにデータを集めているのだろうか?
例えば国連データポータルには世界中でインターネットを使用している人の割合は2019年で50%ほどだったが、僕はインターネットを使用している、とわざわざアンケートに答えたことはない。知りたいと思った。
データを集める過程で役立ったサイト
国連広報センター
国連の統計データが欲しい場合、こういうのを見るといいと、国連の広報が教えてくれている。 www.unic.or.jp
「国連データポータル」
国連が公開しているデータベース。検索が充実しており、CSVもあるし、APIも叩けるらしい。他のデータベースへのリンクもあるので、かなり便利。
http://data.un.org/
調査時のキーワード
・Homicide (殺人)
・Crime (犯罪)
・Global
・Study
Homicideは知らなった。グローバルなデータを扱う場合はある程度、英単語の知識も必要だと思った。